うつ病の親の子供
本書は、子どものうつ病を包括的に捉えて、成因・病態、症状、分類・類型、経過・予後などについての最新知見を簡潔に述べたうえで、有効な薬物療法・精神療法、家族へのアプローチ、自殺の予防といった治療の実際を豊富な症例を挙げ具体的に詳述したものである。
さらに現代社会の子どもへの影響や、“うつ”状態が子どもにとって何を意味するかまでにも言及している。
今まで見逃されてきた「子どものうつ病」を正しく診断し、治療するために必要な事柄をすべてもり込んだ実用書である。
特徴や症例が載っていてわかりやすく読めました。
こどもに携わる人は必読です。
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うつ病の親は、自分の症状(不安、絶望感、自分の人生全般が悲運であるという意識)以外のことはほとんど目に入らないので、自分の殻に閉じこもり、子どもをほったらかしにし、子どもの発育上の急激な成長や芽生えてくる感情を気遣うことなどめったにありません。
子どもがすこやかに発達するかどうかは、親子の間の健全で、愛情に満ちた言葉や身体のやりとりが決定的に重要なのですが、
うつ病の親ではこのようなやりとりは最小限度に抑えられるのが普通で、中にはまったく顧みない親すらいます。
年長の子どもにはやっていいことと悪いことの区別を設けることはできませんし、設けたにしろ子どもに規律ある生活を送らせることはできません。
自己嫌悪や自己憎悪は子どもへと向けられています。
彼らが子どもを嫌ったり、非難するのは、(子どもに向けられてはいますが)実際には自分自身に抱いている否定的感情にひどく嫌気がさしている時のように見えます。
つまり、うつ病の親の怒りは一見外部の対象に向けられていますが、実際には一種の自己嫌悪であることが多いのです。
しかし小さな子どもにとって、このような母親の心理状態はあまりに複雑すぎるので、母親が自分に向かって叫んでいるとしか思えません。
子どもは母親の憎悪を自分が受け入れてもらえない証拠として心に留め、羞恥心や罪悪感を深くしてしまいます。
多くの場合、この悪夢はますますひどくなっていきます。
うつ病の者同士が結婚する傾向があるからです。
その結果、夫婦の間にぞっとするような不和が生まれ、しばしば怒りや暴力の爆発に発展します。
このような夫婦の子どもの多くが様々な病理に苦しむ傾向があるのもなんら不思議はありません。
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