病気の親をもつ子供
アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアなど世界各国で支持され、注目されているシュタイナー教育の実践編。
子供の魂を育てる教師の在り方、学校の在り方が明快に示される。『シュタイナー教育の基本要素』姉妹編。付:1~12学年までのシュタイナー学校カリキュラム例。
子どもを理解する/精神科学的人間認識の観点からの教育実践/学校の運営/付録(学年毎の主要授業の例/一週の科目時間数の例)
レビューを見る
「病気の話をしようとする度に、マイキーは話をさえぎって、聞きたくないっていうの。
ひどく動揺していることはわかるわ。
私が病院に治療に行く時、マイキーは悪夢を見ているか、まったく眠れないでいると夫はいっているの。
夫もマイキーに私の病気について話そうとしたの。
でも、癌という言葉に触れただけで、部屋から出て行ってしまうんです」
病気といえば、最も平凡な、安心して見ていられる家族ドラマの筋書きでは、病気の子どもの看病をする愛情に満ちた、健全な親が措かれています。
しかし、これとは逆のシナリオ、とりわけ親が重病だったり、慢性病だったりするなら、親にも子どもにもその影響は計り知れないものとなるかもしれません。
父親と母親はいつも自分のそばにいてくれるという前提や希望は大きく崩れてしまいます。
親が病気になった時、子どもがたまたま発育上の分離不安の時期にいる最中なら、子どもに及ぼす影響はとてつもなく大きなものになってしまうでしょう。
実際、年齢により、子どもがどのような反応を示すかかなり決まってきます。
子どもが幼いほど、なぜか親を病気にしてしまったのは自分のせいだと思いがちになってしまうでしょう。
幼い子どもは、自分や他の家族の健康も異常なほど心配をするかもしれません(子どもは母親と父親が病気になったら、次には誰かが病気になるかもしれないと考えています)。
年長の子どもは、病気に関する情報をさらにたくさん探し出し、新しい情報を耳にしても我慢し、一見病気にきちんと対処しているように見えます。
しかし私たちは、子どもの心の状態を軽視してはいけません。
いかに我慢したり、隠したりできるとしても、彼らの心の打撃はやはりはなはだしいかもしれないのです。
マイキーと同じように、親の病気について口に出されることさえ我慢できなかったり、またはそれ以外の手段で親の病気を否定しようとする子どももいるかもしれません。
親の重病の影響にどれくらいきちんと対処できるかを決定する上で、子どもの基本的な人格も重要な要素です。
予想される通り、激しい恐怖や不安を抱きすやかったり、既に精神障害に苦しんでいる子どもより、強く、快活な個性をもつ子どものほうが親の病気にうまく対応できるでしょう。
既に精神障害をもっている子どもは、恐らくその症状が突発再発してくるでしょう。
発達障害(とりわけ認知障害)の子どもは、現状をなかなか把握することができず、深刻な不安に苦しむことになるでしょう。
また、男女の違いも子どもの反応に影響を及ぼしているようです。
女子は母親、男子は父親の病気のほうに心の傷を負う傾向があります。
もちろん、子どもの反応を決定する重要な要素としては、親の病気の性質、病気で受けた損傷の程度と種類なども挙げられます。
親が受ける治療の結果もこの要素の中には含まれますが、長期間家を離れることや(手術や癌の治療などの)治療による容貌の著しい変化は、とりわけ子どもの反応に大きな影響を及ぼします。
最後に、家族、特に夫婦の病気への取り組み方が、子どもの反応に決定的な影響を及ぼします。
予想される通り、病気の親と同様に、その配偶者の病気への対応も非常に大きな影響があります。
特にこのことが該当するのは、病気のことで頭がいっぱいになり、子どもに手をかけられなくなった場合です。
かなり冷静に自分の心の悩みを抑え、コントロールできる親もいます。
しかしいきなり落ち込み、動揺してしまう親もいます。
予想される通り、このような反応は子どもの心の傷を深くしてしまいます。
特に幼児にとって親は生活の基盤であることを思い出す必要があります。
親が重病になるという脅威ほど、子どもの最も基本的な安定感に大きな打撃を加えるものはありません。
実行するのは難しいかもしれませんが、子どもの前では病気についての話し方、自らの振る舞い方、病気の対処の仕方に十分気を配るべきです。
親の病気に気づいた子どもの中には、不安が大きくなってストレス反応を起こしたり、睡眠障害になったり、胸をどぎまぎさせる恐ろしい考えが急に頭に浮かんできたり、人を極端に避けるようになったり、引きこもったりするものも現れてきます。
うつ状態や不安に陥ったり、中には親の病気と似た身体症状を現す子どもさえいます。
食欲の減退、怒りの爆発、喧嘩の増加、社会的引きこもり、学力の問題も、親の病気にショックを受けた子どもに共通する反応に含まれています。
お気に入りのブックマーク・RSSに登録 »
関連記事
サイトマップカテゴリー:家族間の問題
トラックバック(0)
http://blog.shigoto-shikaku.com/mt/mt-tb.cgi/5972


