子供のしつけ
アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアなど世界各国で支持され、注目されているシュタイナー教育の実践編。
子供の魂を育てる教師の在り方、学校の在り方が明快に示される。『シュタイナー教育の基本要素』姉妹編。付:1~12学年までのシュタイナー学校カリキュラム例。
子どもを理解する/精神科学的人間認識の観点からの教育実践/学校の運営/付録(学年毎の主要授業の例/一週の科目時間数の例)
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「先生、まったく理解できないんです。
フランキーは私たちのいるところでは決してそんな真似はしません。
近所でそんなことをしたら、ぶたれることはわかっていますから。
でも学校の先生が電話してきて、フランキーが騒いだり、冗談をいったりして授業を妨害しているというんです。
こんな振る舞いをやめさせるには、あと何回くらいお仕置をしなくてはいけなのでしょう?」
親は子どもにとって最高のセラピストというだけでなく、一番重要な教師にもなることができます。
しかし子どもが守っている教訓は、私たちが子どもに教えたつもりでいる教訓とは必ずしも同じではありません。
母親が6歳の息子にうんざりしているとしましょう。
彼は3歳の妹の体を押して三輪車から突き落とすのをやめようとしません。
母親はあらゆることを試みました。
穏やかにやめるよう注意したり、午後はテレビを見せないと脅したり、子ども部屋に追い出したり、怒鳴ったりもしました。
ところがやはり妹が三輪車で遊ぼうとする度に、妹を突き落としてしまうのです。
ついに、母親は堪忍袋の緒を切ります。
「ここに来なさい!」
彼女はお尻を叩くために息子をうつむけにして膝の上に乗せ、最初の一撃を加えるため手を上げます。
なんとか叩くのを思いとどまるよう祈るばかりです。
なぜなら彼女が息子に教えようとしているのは、他人の権利を尊重し、妹や家族に優しくし、行儀よく振る舞うといったこととはまるで無関係だからです。
教えているのは次のことです。
(1)誰かに腹が立ったなら、その人を叩く。
(2)実際に誰かに何かをやってもらいたい時には、その人を叩く。
要するに、彼女は自分の欲求を叶えるためには、暴力は許される手段であるということを子どもに教えているのです。
しつけの目的は罰することではなく指導することです。
自分の振る舞いによって模範を示す(親が子どもに教訓を与えるための手段として、しつけよりもはるかに効果があります)ことと併せ、しつけは子どもに道徳観を芽生えさせ、養っていきます。
実際、しつけの方法や理由が、子どもの社会の中での生き方や振る舞い方を決定する最も重要な要素の一つなのです。
倫理観、対人関係のあり方、学校や職場での振る舞い、家庭内での自分のあり方はしつけで決まってしまいます。
しつけほど親を消耗させるものはありません。
他のどの話題より私が一番多く受ける質問は、子どもをどのようにしつけたらいいのかということです。
親は甘やかしすぎではないか、厳しすぎはしないかと不安に思っています。
親は自由放任とスパルタ主義のどちら側の立場も領けるだけの理論を耳にしてきました。
親はしつけ(子どもを教え、指導するために利用する方法)を罰(規則を破った時に私たちが取る行動)と混同しすぎています。
罰則はしつけのほんのわずかな部分にすぎません。
ところが、罰を与えるほうが思いやりをもったしつけをするよりはるかに簡単なことなのです。
これがしつけをしようとする時、親が罰に頼ってしまう一つの理由かもじれません。
しつけとは、家庭や社会でどのような振る舞いをするのが適切で、何が不適切かを教える一連の価値を子どもに少しずつ教え込んでいく技術で、
他の人の心にも気を配るべきこと、そして社会にはきちんと対処しなくてはいけない危険なことがあることを教えてくれます。
きちんとしつけられた子どもは自分の衝動を抑え、人と協力し、辛抱強く、自分の内面も外面もきちんとコントロールできているという気持ちを抱きながら世の中を歩んでいます。
また、このような子どもは自分の独自性を失うことなく(しつけの目的は現状を守り抜くことではありません)、適切な行動様式を学び、
その範囲を守りながら自分の個性的なやり方で物事に対応したり、反応したりしていくことができます。
親に忘れてもらいたくないことは、すべてのことに該当する絶対的に正しい方法、悪い方法などないこと、しつけの目標とは高みの席から栄枯不変の戒律リストを伝えることではなく、(自分の言動について思慮深い判断ができるようにするため)責任感や思慮を養うことなのです。
しつけは年齢に適したものにする必要があります。
また子どもの振る舞いや善悪を判断する能力に対する期待は、子どもの年齢にあわせると同時に、子どもの長所と短所も考慮に入れておかなくてはなりません。
現在、直面している課題が何であれ、次の対処法はすべての子どもや親が利用することができる、しつけに関する一般的忠告です。
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