親の離婚を経験した子供
離婚後に、子ども達が離れている親から愛されているという証でもある「養育費」と「面接交渉権」。
その実態と問題点を理解して支援に生かしてください。ひとり親家庭の子どもの権利をみんなで考えるための一冊。
第1章 アンケートから知る当事者の声(当事者アンケートから思うこと/離婚後の親子関係サポートに関するアンケート)/第2章 養育費不払いに困ったら(養育費は子どもの権利だから…/養育費の取り決めについて ほか)/第3章 面接交渉実態調査(アンケート調査から見る面接交渉の実態/アンケート集計結果 ほか)/第4章 支援者の心構えとして大切なこと(支援者の心得(カウンセリング理論)/カウンセリングで目指しているもの ほか)/第5章 NPO法人Winkの活動(NPO法人Winkの活動・シンポジウムから/NPO法人Winkの一〇年計画 ほか)/付録
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「ママ、いい子にするって約束したら、本当に日曜日パパに夕食に来てもらえるの? お皿は全部洗うし、自分の部屋でもどこでも掃し除するから」
7歳のサンドラは、離婚した両親をもつ多くの子どもの典型的な例です。
母親はいつも、父親に家に戻ってきてもらおうとしているといっています。
サンドラは自分が離婚の原因だとはいっていませんが、いつもいい子にすると約束するのは少なくとも離婚の責任の一端が自分にあると思っていることを匂わせています。
サンドラの母親は私にこういいました。
「わからないわ。
だって離婚なんてもう特別なことじゃないでしょ。
サンドラの学校の友達の親の多くも片親か、離婚経験があるのよ。
もう離婚が子どもにそんなひどい心の傷になるはずないのに。
でも、それは間違いだったわ」。
サンドラの母親の発言は誤りではありません。
アメリカ人は結婚しても結局50%は離婚してしまいます。
しかしこのような現実があるにもかかわらず、離婚が両親や子どもに及ぼす影響は相変わらず心の痛手となっているのです。
一般に、離婚した両親の子どもは、親密な人間関係をなかなか築けずに大人になります。
彼らは自尊心を傷つけられているかもしれず、人を愛し、信頼する能力が両親の維姫という現実を体験することで減少してしまうことも少なくありません。
離婚は、喪失、苦痛、悲嘆、絶望感、自暴自棄のすべてが襲いかかってくるショッキングな出来事として体験されます。
そしてサンドラのように、両親が離婚した原因が自分にもあるという感情がそこにしばしば加わっていきます。
マスメディアは、さほど大きな問題ではないと思わせようとしているようですが、離婚はやはりまだ、真剣に考えなくてはならない現象なのです。
もちろん、離婚それ自体は子どもの心に傷を負わせる原因の一つにすぎません。
離婚する前には、ほとんど例外なく数ヵ月間、時には数年間、苦しみや不満を膨らませていく時期があります。
別れる前に子どもは何度も(時には暴力的な)夫婦喧嘩を見ていたかもしれません。
両親がますますよそよそしくなっていくのを目にするのは、たとえ言葉には出さなくても子どもをますます不安にしていきます。
とりわけ幼い子どもは後ろめたさを感じたり、問題を起こした責任は自分にあると感じることが多くなります。
口喧嘩の中で自分の名前が叫ばれるのを耳にしたり、何かいけないことをして厳しく批判されたり、または怒りを自分のほうに向けられて惨めな扱いをされたりすることで、
子どもは拒絶感を味わい、不機嫌になり、自分が見捨てられたような感じを抱き、罪の意識や怒りを覚えるかもしれません。
よちよち歩きの子どもや就学前の児童は、心にかなりひどい傷が残ってしまい、発育が遅れてしまうことも多々あり、
学習したばかりの技術(特に運動技術や言語技術)がきちんとできなくなったり、忘れてしまったりするかもしれません。
かんしゃくを起こし、いつも泣き叫んでいる子どももいれば、自分の殻に閉じこもるか、またはそれとは逆に、人に執細にまつわりつく子もいます。
年長の子どもはしばしば学校での勉強や行動に問題を示すようになります。
子どもたちはほとんど例外なく悲しみ、時によってはうつの徴候を現します。
離婚前の時期は、既に情緒的な問題に悩んでいる子どもにはとりわけ苦痛で、心が深く傷つけられます。
その上、離婚のことで争っている期間はずっと親自身が不安で、自分のことで頭がいっぱいになっているので、
最も関心や配慮が子どもに必要とされるまさにその瞬間、なかなかそばにいてあげることができません。
離婚後も、ほとんどの子どもにとって問題は解決しません。
安定した経済状態が崩れてしまうこと、親を一人失うこと、そして恐らく転校や引っ越し、友人との別れ、新しい友達作りでたまるストレス、
親から自分の味方になるよう求められること(忠誠心を試される)、離婚の罪を背負うこと、親の新しい恋人や人間関係への順応、そして最終的には継母・継父や異母兄弟への順応など、このすべてが離婚した両親の子どもの心の傷になる危険性があるのです。
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