子供の儀式行動
いつまでも疲れがとれない、通勤電車で激しい動悸に襲われる、緊張すると下痢をする―こんな身体症状の背景に心の病気が潜んでいることがあります。
ストレスや心の病気による身体不調や異常行動を事例で紹介。
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儀式行動とは、多くの子どもが固く守っている振る舞いのことで、
寝る時に何度も同じ話を読んでもらおうとしたり、
枕やぬいぐるみを一定の方向に一列に並べたり、
朝食や昼食に同じものしか食べなかったり、
テディベアをどこにでも連れて行ったり、
何の根拠もないのに歩道の割れ目を避けたり、歩道の線を踏まないようにする(「踏んだらママの背骨が折れてしまうんだ!」)のようなことをいいます。
親はこのような子どもの振る舞いにまごつき、気まずい思いをさせられることもあります。
私の娘は5歳の時、毎日同じ服を着ると言い張っていました。
そんなことをされたら、毎晩その服を洗濯しなくてはなりません。
姫がやっと「隣に住む女の子のように見られたいから」と理由を話してくれるまで、妻と私は途方に暮れていました。
隣の子どもは数区学校の制服を着ていましたが、娘が毎朝着ていた服がその制服に一番似ていたのです。
私たちは娘が前後の見境を失ってしまったわけではないのに離としましたが、毎晩その服を洗濯しなくてはならないため、相変わらず娘を腹立たしく思っていました。
儀式行動は幼い子どもにはごく普通の、まったく正常なことです。
この行動は子どもにある程度自分でコントロールのできる、予測可能な一連の出来事を与えてくれます。
世の中を自分ではほとんどどうすることもできない、予測不可能な場所として体験している幼い子どもたちにとって、自分が司ることのできる儀式行動は重要な意味をもっています。
儀式的に、繰り返し実行されるこのような慣習は、親を怒らせてしまうかもしれませんが、子どもの心を慰め、落ち着かせてくれているのです。
私は親から子どもの儀式行動をどのように扱うべきかよく尋ねられます。
それはこの奇怪な行動(その行動の背景に存在している理由がわからない時には、ひどく奇妙に見えるかもしれません)が、何らかの心の病の症状の一つかもしれないと考えるためばかりでなく、
日常の活動を妨げ、家族をひどく混乱させてしまう恐れがあるからです。
儀式行動のせいで子どもは学校に遅刻してしまい、夜は親の自由時間を奪ってしまいます。
人との付き合いを回避しているように思えるほど子どもが儀式行動に没頭しているように見えることもあります。
時にはあまりに奇妙に見えるため、家族以外の人間に気づかれはしまいかと思うと親はばつが悪くなってしまいます(「子どもの頭が変になったと思われてしまうだろう」)。
とりわけ子どもが高価な玩具、ビデオゲーム、希少価値のあるコレクターズアイテムの収集に熱中している場合には、お金もかかります。
また、儀式行動は、
騒音を立てたり、
子どもを孤立させたり、
早寝早起きできなくしたり、
あなたが正しく丁寧な振る舞いと思っていることに逆らったり、
兄姉との腹にすえかねる対立を引き起こしたりして(「ママ、やめさせてよ!」)家庭を時々混乱に陥れます。
儀式行動は幼年時代にはごく自然な行動で、たいてい子どもが成長すればやらなくなることを理解すれば、恐らく不安も少なくなるでしょう。
この行動がいつなくなるのか断言することはできませんが、小学校に入学するまでにはほとんどの子どもがやらなくなります。
しかし小学校に入っても儀式行動が続いていたり、ストレスを受けた時再開されたとしても、驚いてはいけません。
儀式行動は子どもが生まれつきもっている「行動を活用した精神安定」のようなものと思って下さい。
それは大人が自分の気持ちを落ち着けるためにやっている多くの癖と似ていなくもありません(ポケットの中でコインをチャラチャラ鳴らしたり、ペンをかんだり、メモ帳にいたずら書きをする)。
しかし、この行動をやらなくなってからかなり長い間を置いて再開されたなら、子どもを苦しめたり、不安にしている原因を突き止めてみるのがいいでしょう。
恐らく、少し探れば簡単にその原因は見つけ出せるはずです。
あなたはほっと一息つけるだけでなく、子どもにどのような援助を与えられるのか決断する役にも立つでしょう。
次のような場合には、子どもの儀式行動に不安を抱く理由になるかもしれません。
● 儀式行動が日常生活に支障をきたすほど、1日の規則的習慣のいくつかを深刻に妨げている場合。
服を着られない、学校に行けない、きちんとした時間に眠らない、他の人と付き合えないことなどが挙げられます。
● 儀式行動が予測していたよりはるかに長い期間続いている場合。
例えば、7、8歳になっても毎日儀式行動をしているなら、不安になるのも一理あります。
● 儀式行動を実行するために、子どもがひどく孤立し、社会から引きこもり、他の人との正常な人間関係が保てなくなっているような場合。
● 強迫性障害の症状である場合。
例えば、拭おうとしても消えない否定的な考えや不安を回避するためにやっているように見える厳格な儀式的・迷信的な振る舞い。
● 自閉症(広汎性発達障害)の症状である場合。
例えば、人間関係の著しい悪化、他人と共有する経験や相互扶助関係の欠如、言語の未発達、奇妙な言葉の反復利用、物事の全体ではなく一部に執着する、ごっこ遊びの欠如(儀式行動をする子どもは意味のない反復的遊びをします)。
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