子供のストレス
子どものストレスは親のストレス。親のストレスは子どものストレス…。親子ともに強くなって、ストレスの悪循環を元から断ってしまおう。
レビューを見るストレス(威圧的で、脅威的なものとして心に留められる内面や環境のプレッシャー)がホットな話題になってきたのはごく単純な理由からです。
それはストレスを避けることのできる人間が一人もいないからです。
私たちは毎日、マスメディアから前例のないほど多くの矛盾に満ちた刺激を次々に浴びせられています。
かつては当たり前で、疑問の余地のないこととして支持されてきた自我、家族、成功、セックスに関する前提はすべ了覆されてしまったので、私たちは信頼できる援助や指針もなく、
自分や自分の人生を自力で「創り出さなくてはならない」かのような気分に度々襲われています。
恐らく、現在ほど生活にストレスの多い時代はかつてなかったでしょう。
次々に押し寄車てくる様々な影響、意見、義務の波の中から何かを選び出さなく十はならなかった時代など、これまで一度もありませんでした。
現在、ストレスに対しこれほど多くの関心が払われるのも当然のことなのです。
ストレスがすべて悪く、不自然なものだというわけではありません。
きちんとした活動をしていくためには、ある程度のストレスは不可欠だからです。
ストレスがなければ私たちは何一つ成し遂げることはできないでしょう。
仕事の締切りに間に合わせる、
家族への基本的責任に応える、
一度始めたことを最後までやり遂げる、
今までより大きな目標を達成するための長期計画を作成する…、こういったすべてのことの成否は、正常で生産的でほどほどのストレスに前向きに対応していけるかどうかにかかっています。
しかし、この有益なストレスと、病気や精神病にじりじりと追い込んでしまう過剰で威圧的で有害なストレスの間はどこで線が引かれているのでしょうか?
とりわけ子どもの場合、この質問には答えづらいものです。
児童の発達は、成長していくために通り抜けなくてはいけない新たなストレスのたまる段階に次々にうまく順応していくことであると考えられるかもしれません。
歩き方、食べ方、話し方、トイレの使い方、人との付き合い方、自転車の乗り方、字の書き方、足し算や引き算、楽しみを先にとっておく方法など、
これらすべてのことを身につけるには、大人になるために克服しなくてはならない、生きていく上で避けて通れぬ挫折(ストレス)に対処しなくてはなりません。
しかし子どもは、それだけでなく大人と同じくらい多くのストレスに悩まされるものなのです。
多くの子どもは成長するためのストレスに順応するだけでなく、
知らない土地への引っ越し、両親の離婚、転校、病気から生じるトラウマ(心の傷)にも対処しなくてはなりません。
また、社会や勉強に対し親が徐々に膨らませていく子どもへの期待にも対処しなくてはならず、時には(何がなんでも「勝利をつかむ」ため)幼稚園の頃から他の子どもと競争することを教えられます。
「ステージ・ママやパパ」と「コーチ」がますます増えている事実に着目して下さい。
ハリケーン、竜巻、地震から、大量殺人、レイプまで、メディアにあふれる暴力的映像もストレスを増やします。
セックスに関する過剰な情報も避けて通ることができず、テレビのトークショーやインターネットのチャットルームも次々に悪影響を及ぼし、
子どもの心をかき乱し、混乱させ、必然的にストレスを増やします。
あらゆる影響に対するのと同じように、ストレスへの反応も子どもによって様々で、すべての子どもに同程度の危害やマイナスの影響を及ぼすわけではないことも覚えておくことが大事です。
性格的に他の子どもよりストレスをうまくかわしているように見える子どももいます。
ある子どもにはストレスが多すぎる状況でも、他の子どもは自分に課せられた単なる一つの挑戦だと見ているかもしれません。
これが、子どもの気質や状況に対する表現・反応の仕方を親が常々確かめておかなくてはいけないもう一つの理由です。
一人ひとりの子どもを独自の個性をもつ人間と見なし、ある程度その個性に合わせて扱う必要があります。
とりわけこの作業は、子どもの生活のストレスを増やしてしまうか、減らせるかといった観点から見て重要なことです。
もっと激励し努力を促すのがいい子どももいれば、もっと好きなようにやらせるのがいい子どももいます。
こういった決断を下すには、子どもの個性とその子どもがたまたま直面しているストレスの性質に敏感に気づく必要があるのです。
しかし、どの子どもにもトラウマ(心の傷)となってしまうストレスがあります。
このようなストレスは、子ども時代の通常の出来事の範囲を超えて発生した、子どもの生活や健康を脅かす出来事と定義づけられるかもしれません。
その出来事は、子どもが直接体験したり(性的虐待、重い病気、自動車事故など)、または周りの人の身に起こったことで立ち向かわなくてはいけない出来事(家族の病気や突然の死など)かもしれません。
ある出来事が有害で心の痛手となるストレスとして心に刻み込まれる時、子どもは少なからずその出来事を鮮明に記憶する傾向がありますが、
幸いほとんどの子どもは何とか自分を見失わずにいることができます。
子どもは、なぜこんな事態になったのかと思い「なぜ自分に(降りかかってきたのか)?」を考え抜こうとし、いわゆる「前兆形成」の期間を体験するかもしれません。
普通、トラウマを受けた直後、子どもは一時的に睡眠障害、学業不振、ある義務への集中や注意力維持の困難を経験し、ショッキングな体験の再現を恐れるようになったり、
また再現されやすいひとりばっちの状態になることに対し漠然とした恐怖(例えば、親から引き離されること)を抱くことが多くなります。
このような子どもは、心を傷つけた出来事の夢を見たり、トラウマに対処することが不安なため一見その出来事とは無関係な怖い悪夢を見るかもしれません。
ほとんどの子どもは何らかの点でトラウマを説明したり反映させたりしている遊びをしたり、絵を措いたりするようになるでしょう。
性的虐待の場合、子どもが動物のぬいぐるみや人形を使って演じる遊びが、子どもにとって自分が体験した虐待を人に知らせる唯一の手段になるかもしれません。
このような遊びは、辛い状況を克服するための健全な補償行為であり、すぐにやめさせたり、妨げたりしてはいけません。
しかし、時が経つうち自然と、新たな局面に入っていく子どももいるでしょう。
この段階では(認識、感情、行動の上で)トラウマを引き起こす出来事を執拗に再現しようとするかもしれません。
この行為は自分の恐怖を克服するための以前よりも大規模で、健全な試みの場合もありますが、
この段階でうまくいかないと、その後何年間も不快な出来事の記憶に頭が埋め尽くされてしまう危険があります。
時が経つうちに、その出来事が子どもの心の中でひとりでに歪曲され、誇張されてしまう傾向があるのです。
子どもはその出来事の様々な面を幻覚で見ることがあるかもしれません。
そのため後年、大人になって(性的虐待などの)心の傷を告白するまでに、元々の事件とは徐々に異なってしまい、時にはずっとひどく、恐ろしい出来事に変わってしまう恐れもあります。
このようなトラウマは本当に危険です。
トラウマが発生した直後に、その影響に対処できなかったり、対処しようとしなかった子どもが心に受けた傷は、その後の人生すべてに打撃を与えてしまうかもしれません。
深刻なトラウマを受けた子どもの人生観はしばしば狂ってしまいます。
将来仕事をするとか、結婚して子どもをもっとかいった期待感が薄れてしまい、
トラウマのない子どもならもっと簡単に抱くことのできる野心、好奇心、充実感のもてない将来しか予測できなくなってしまうかもしれません。
つまり、子どもの心に傷を負わせるストレスにより現れた症状に、親は何がなんでも気づいてやらなくてはならないのです。
その中で最も一般的なものが「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」です。
この障害は次に分類した三つのカテゴリーのうちの一つにあらわれる傾向があります。
興奮状態があること
このような子どもは短気で、怒りっぽく、ちょっとした挫折にも過剰な反応を示し、攻撃的になったり、かんしゃくを起こしたりする傾向があります。
なかなか眠れず、いつも自分のなわぼりを守ろうと警戒し、安全を確保するため自分の周囲の状況を注意深く見守っています。
彼らは防衛的で、ちょっとしたことにひどく驚き、
一般に心臓血管や腸の反応など様々な生理や自律神経系の症状に苦しめられています。
トラウマの再体験
二つめのグループは、悪夢を見たり、繰り返しショックを受けた体験を表現する遊びをしたり、時にはその出来事の回想(フラッシュバック)をしたりしてトラウマを受けた出来事を追体験します。
回避と解離(意識の分裂)
三つめの症状のグループには、回避、麻痺、解離性という特徴があります。
このような子どもは心の傷となった出来事を思い起こしてしまう(またはその記憶を誘発する)あらゆることを避けようとします。
自分の殻に閉じこもることが多く、外からは生気がないように見え、苦虫をかみつぶした、悲観的な顔つきをしがちになります。
感覚が麻痺し、落ち込み、感情を喪失しているように見えるばかりでなく、空想にふけったり、没個性的になったり(現実感の喪失)、希望をすべて失い、過度に依存的になり、時には失神状態に似た身体症状を示すことで人格を解離させてしまうことがあるかもしれません。
PTSDは数年間なくならない可能性があり、実際そうなってしまう場合が多く、一般に人生のあらゆる面にかなりの悪影響を及ぼします。
幸い、トラウマを受けた子どもは、このような症状のいくつかを数週間、数ヶ月体験するだけで、その後はこの苦境を乗り越え、自分の感情をかなり取り戻していきます。
このような子どもの障害はPTSDではなく、急性ストレス障害と呼ばれています。
しかし、PTSDの影響が一生続いてしまった場合、子どもの人生にあまりにも深刻な影響を及ぼしてしまう恐れがあるので、
子どもが心に痛手を負った直後に現れてくる症状にできるだけ早く対処しなくてはなりません。
子どもの残りの人生がトラウマによって悪影響を及ぼされないくらいになるまで治療してあげるために、親は子どもの症状に油断なく注意を注いでいる必要があります。
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