子供の怒りについて、どう対処したらよいのか?
本書では、思春期の子どもに起こってくる変化に、親はどのように対応すべきか。キレやすい思春期の子どものキレる瞬間を引き起こさないためにはどうすればいいのか。
親子の信頼関係は、どのようなコミュニケーションの中でつくられるのかなどを具体的に著したものです。
1 キレる子どもとキレない子ども(子どもたちがキレる瞬間とは/ストレスとのつき合い方がキレるかどうかの鍵/自分の子どもを観察してみる/子どもの「アブナイ行動」チェックリスト)/2 なぜ、子どもたちはキレるのか/3 こんなとき、親はどうすればいいのか/4 キレない子どもに育てるには
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ものを投げたり、
いうことを聞かなかったり、
暴力的な振る舞いをしたり、
騒がしくしたりして、
本当に手に負えないようなら、子どもは私が「怒りの緊急事態」と名づける状態にあり、怒りの応急手当てを施す必要があります。
子どもに注意を払い続けながら、子どもやその他の人も含む周囲の環境への危害を避けるため、やらなくてはいけない手段をすべて利用して子どもを制止して下さい。
子どもに恥をかかせてはいけません。
この緊急事態の間、子どもから離れてはいけません。
子どもに示さなくてはいけないのは、あなたが子どもの怒りを恐れておらず、怒ってもたいした影響はないという二つの態度です。
この怒りの段階を終えた後に、次の提言に進んで下さい。
ほとんどの怒りは抑えられるもので、怒りの応急手当の必要はないでしょう。
子どもの怒りの原因を突き止めることが一番大切な作業で、一般にそれは、子どもがその瞬間ひどい無力感や絶望感を感じた理由を解明することです。
子どもがその理由をあなたに話せることもあるでしょうが、恐らく子どもの怒りの行動パターンからあなたも原因が何か推定できるはずです。
正常な発育上の怒り
(幼児のお腹の調子の悪さ、きつくしめすぎたおむつ、心地の好くない角度に傾いている幼児用寝台、歩いたり、食べたりするのを学習する際の欲求不満、トイレのしつけ、幼稚園の初登園日、新しく生まれた弟妹への対処などの結果)
に敏感に気づき、子どもの怒りを自分に対する個人攻撃だとは決して受けとってはいけません。
子どもは怒る前にどこにいましたか?
対人関係、運動、教育上のストレスはありませんでしたか?
じわじわと忍び寄る不安はありませんでしたか?
恐らくあなたの子どもは発育上ごく自然に生まれてくる欲求不満に対する怒りに対して反応しているのであり、
だから親からの共感や援助を必要としているのだということを忘れないで下さい。
子どもが話せるようなら、思いやりを込めて子どもを観察し、耳を傾け、質問して下さい。
子どもが悩んでいることを見つけ出そうとしている間は非難してはいけません。
あなたの第一の目標は、怒りを抑えたり、否定したりすることではなく、子どもの気持ちを楽にし、怒りの感情を克服する手助けをすることです。
子どもが直面している問題の解決策を提案してもいいでしょう
(しかし、解決策は、子どもが問題に対する怒りを表現できるようになった後に話してあげなさい。それ以前に解決策を与えると、たいてい子どもの怒りは激しくなり、静まることはありません)。
あなたは直接介入して、手を貸してあげるか(挫折した作業の手助け)、間接的に支援してあげるか(自分で悪い方向にもっていこうとする子どもの傾向を指摘する)、
または子どもの環境に介入するかもしれません(不公平な教師と話し合ったり、学校にいるいじめっ子の親に電話をする)。
最も重要で、難しいのは、自分をじっくりと観察し、子どもの怒りの一因になっているかもしれないことをしっかり眺め、自分の振る舞いを変えていくことかもしれません。
この作業は子どもに自分を無理に合わせることではなく、むしろあなたがやっていることで子どもの怒りに油を注いでいる恐れのある行為は何か調べることが目的です。
対人関係から生まれてくる怒りの主な原因は、
不公平、冷淡で投げやりな扱い、
約束を破られること、
矛盾していたり偽善的であること、
うしろめたい気持ちにさせられること、
過保護、
からかい、
気紛れに用をいいつけること、
脅迫や屈辱、
いじめられることなどであることを思い出す必要があります。
甘やかしすぎたり、他の子どもと不当に比較したり、子どもをまるで自分の身代わりのように思いながら生活したりすると、まったく知らないうちに子どもを怒らせてしまいます。
親は子どもにうっかりそんな真似をしてしまわないよう、敏感になる必要があります。
恐らく一番忘れてならないのは、あなたには怒りに対する偏見があり、子どもの怒りに上手に対処するためにはこの偏見とじかに向き合い、克服していく必要があるということです。
(応急措置を必要とするような)子どもや子どもの周囲を危険にさらすものでない限り、怒ったことを叱ったり、お仕置をしたりせず、理解することに意識を集中して下さい。
怒りは深い絶望感に対する反応であり、その苦しみの原因がどこにあるのか子どもが気づき、認識したなら、たいていは自然に消えていきます。
怒りがいつまでも静まらないなら、専門家のカウンセリングか治療を求める必要があるかもしれません。
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