子供の深い悲しみ
子どものストレスは親のストレス。親のストレスは子どものストレス…。親子ともに強くなって、ストレスの悪循環を元から断ってしまおう。
レビューを見る私たちの社会で、「死」は、ぞっとする過激な性や暴力さえしのぐタブーな話題であるということを恐らくあなたは既にご存じのはずです。
一般に、私たちは、子どもが不快な死と遭遇することから子どもを避けさせたり、避けようとしたりしています。
私は数えきれないほど多くの親から、子どもを葬式に出席させて、死体を見せ、通夜に参列させるべきかどうか、
さらには親しい親類の死について子どもに話すべきかどうかということさえ、質問されてきました。
大人は「どんな人間も必ず死ぬものだ」と平然と口にしますが、
いざ、おばあちゃん、おばさん、おじさん、いとこが亡くなったとなると、私たちのほとんどが子どもにきちんとその事実を伝えているようには思えません。
親は死を受けとめるだけの準備がまだできていないのだと子どもに感じさせ、死をひどく恐ろしいものにしてしまう傾向があります。
しかしその親自身も、死にきちんと対処できないと感じ、恐れていることが多いものなのです。
死について自分が抱いている不安を子どもにも感染させていることは別に驚くには当たりませんが、大事なことは、自分がそんなことをしているのを自覚して、それをやめるための手を打つことです。
小児期も早い頃(幼児の頃)から、死は人生の中の自然な現象であることを、子どもが学ぶ機会を作ってあげるべきです。
四季の一巡について指摘してあげれば、春に出た芽が葉になり、その葉が秋や冬になると自然に枯れて落ちていく、幼い子どもでも自然の中で生と死が絶えず繰り返されていることをきちんと認識し、この循環の中ですべての生き物の位置を見られるようになります。
しかしそれと同時に、死という事実を受けとめる能力が子どもの成熟度によりかなり違っていることに親は気づく必要があります。
就学前の子どもにとって、死は、眠っているか、どこかに旅行しているようにしか見えないかもしれません。
小学校に入学し成長していくにつれ、子どもの死に対する理解力も同じように増していきます。
まず子どもは、死を自分以外の人間に偶然起こった出来事としてとらえるでしょう。
そして8歳までには死が自分にも訪れる出来事であることに気づき始めます。
小学校を卒業するまでに(前思春期が始まるまでに)、ほとんどすべての子どもが人生の最後に死が待ち受けていることを理解し、死という終わりを受け入れられるようになります。
もちろん、どれだけ死をすんなり受け入れられるかは子どもによってばらつきがあります。
子どもたちは亡くなった愛する人と再び出会うために、自分も死にたいと言い出すかもしれません。
しかし短絡的にその言葉を自殺につながる失望だと混同してはいけません。
それは大切な人を悼むための自然な表現であることが多いからです(もちろん、この考えに自殺行為が伴っていたり、うつ病というもっと重い障害の一つの症状であるなら、事態は深刻ですが)。
悲しみ、そして亡くなった人と会いたいという願望の他に、死に対する正常な反応として、睡眠障害(不眠症、悪夢など)、頭痛、腹痛、食欲不振などの身体症状を現す子どももいます。
このような症状は慢性うつ病を反映している恐れがありますが、うつ病の証拠と簡単に結びつけて考えるべきではありません。
悲しむ期間があるのは自然で、健全なことです。
最初は私たちに警戒心を抱かせるかもしれないこと(例えば死んだ人の幻覚を見たり、その人が死んだことを信じようとしないこと)を子どもが口にしたとしても、
慢性うつ病の治療をしなくてはいけない証拠だというわけではありません。
このように現実との歪みが激しいことを口にしていたとしても、それは心をかき乱す出来事を子どもが自分に納得させようとしていることを示しています。
その多くは死を受けとめるためのまったく自然な一時的適応なのです。
実際に、このような子どもと同じような考えを大人が口にするのをよく耳にすることがありますが、だからといってその大人を異常だとすぐに診断したりはしません。
子どもが激しい怒りで死に対応したり、学校で死に関する問題にばかり意識がいってしまったり、社会活動から身を退けたりするのは異常なことではありません。
罪悪感を感じる子どももあり、自分のせいだとひそかに感じている罪を「罰してもらう」ため、わざと人を怒らせる子どももいるかもしれません。
親を亡くした子どもはどうでしょう?ほとんどの人は親の死は一生心の傷となって子どもに残るに違いないと思っています。
しかし、この意見は研究からは裏づけられてはいません。
親の死が子どもに及ぼす影響に関し結論はまったく出ていないのです。
しかし親の死後、残った配偶者、親類、子どもを引き受ける地域社会の人から子どもがどのような配慮を払われるかが非常に重要だということは、研究からはっきりと証明されています。
また親を亡くした幼い子どもには、とりわけ細心で、集中的なケアが必要なこともわかっています。
予想される通り、亡くなった親との間にそれほど激しい対立関係がなかった子どものほうが困難を経験することは比較的少なくてすみます。
死んだ親の病気を事前に告げられていたなら、そうでない場合より悲しみの段階をすんなり通り抜けることができます。
亡くなる前に病気だったことを知っていれば、死はもっと受け入れやすくなるでしょう。
しかし、一番大切なことは残された配偶者や保護者の心の状態です。
彼らがどれくらい落ち込んでいるか、子どもにどれくらいかまってあげられなくなっているのかが、
子どもが深い悲しみをすんなり通り抜けられるか、なかなか抜けきれないかに強い影響を与えるでしょう。
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