心の健全な子供とは?
アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアなど世界各国で支持され、注目されているシュタイナー教育の実践編。
子供の魂を育てる教師の在り方、学校の在り方が明快に示される。『シュタイナー教育の基本要素』姉妹編。付:1~12学年までのシュタイナー学校カリキュラム例。
子どもを理解する/精神科学的人間認識の観点からの教育実践/学校の運営/付録(学年毎の主要授業の例/一週の科目時間数の例)
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私たちは子どもに何を求めているでしょう?
どのような状況の場合、子どもの心が健全だといえるのでしょう?
子どもたちの心の健全さの目標として、私たちはどんな状態を想定しているのでしょう?
心の健全さを保つために必要な条件は数多くありますが、私の知り合いの親はほとんどこれらの条件に気づいているようですし、
子どもたちにその条件を身につけてもらいたいと願っています。
ここで、その条件をはっきりさせておきましょう。
それは、心が健全であるためには感情が豊かで、才能にあふれ、適応力にも恵まれ、しかもこれらの条件のバランスをうまく取ることができることこごす。
確かに、私たちは子どもが外部の庄力にすぐ屈してしまわない強い個性をもった人間になってもらいたいと願っています。
しかしその一方では、相手を尊重し、異なる意見にも敬意を払って、うまく人と付き合うことのできる人間になってほしいとも思っています。
あまりにも自分の考えを押し通す、融通のきかない、へんくつな人間になってもらいたくないのです。
つまり、心の健全な子供とは、
自分自身の立場を知りつつ、敗北感を抱いたり、自我を失うことなく、人とうまくやっていける子どものことをいいます。
他人と協力して生きていきながら、本来の自分の姿も見失わずにいられるようになるには、関連する二つの能力が不可欠になります。
それは、違いを許せる能力と共通点を見つけ出す能力です。
この二つの能力を身につけている子どもは、自分のことを知り、自分を表現しながら、人との付き合いから何らかのものも吸収することのできる安定した心をもてるようになります。
そうした子どもは、相手に反対することも領くことも、
他人をほめることも自分を主張することも、
前に進むこともじっと待つことも、
競い合うことも仲良くすることもできます。
心の健全な子どもは、他人に敬意を払うことを学びながら自尊心も失わずに成長していきます。
自分と他人の独自性を尊重しながら、類似点も正しく把握するようになれるのです。
自分のもつ価値に気づき、他人の価値も尊重する人間になるのです。
このようなバランスの取れた健全な心を子どもに身につけてもらえるようにするには、どうしたらいいのでしょう?
そのために親がすべき主なことは、いい環境を創ることです。
子どもの性格、感受性、気質には必ず遺伝子的要素が含まれていますが、決定的役割を演じるのは成育する環境です。
恐らく私たちが影響を及ぼすことができるのは、この二つの要素のうち後者だけなので(人間の遺伝子操作は依然として禁じられています)、環境がより決定的な役割を果たすでしょう。
前向きで、公平で、温かく、成長する姿に関心が注がれ、励ましや愛情にあふれ、個性をきちんと認めてもらえる世界で育てられる時、
子どもが健全な心を養うことができる確率が最も高くなります。
もちろん、これは理想です。
このような環境を創り出すためには数々の困難を要しますし、その困難をすべて克服することは絶対不可能です。
親たちの心の中は、いつもプレッシャー、弱点、無意識の渇望や願望、満たされなかった欲求、その身代わりに子どもに託す期待(子どもには強要や圧力として感じられる)で渦巻いています。
子どもの独自の長所や望みは客観的に見ることができず、親自身の競争心や現状を変えたくないという執着心に基づいた態度なのです。
このような障害に立ち向かい、改善していくことができますが、完璧な人間など一人もいません。
子どもの発育にとっていい環境を創りたいと望むだけで、何もできないことも多いものです。
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