性同一性障害
性も「十人十色」。性同一性障害と同性愛の人びとが協同してつくった初めての本。
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自分が男である、または女であるという認識は、アイデンティティー(自分とは誰であるかを知ること)の最も基本的な要素の一つです。
普通2歳までに、男の子は自分が男性であること、女の子は女性であることに気がつきます。
しかしこの認識を手に入れたからといって、すべての子どもが自分の性と同じ特徴を示すというわけではありません。
大騒ぎしたり、フットボールをしたりするより、本を読んだり、人形で遊んだりするのが好きな男の子もいます。
バレエ教室より野球場にいたほうが落ち着くという女の子もいます。
これは少年や少女が時々、
「自分が違う性だったとしたら(または異性の特徴をもっていたとしたら)どうなるのだろう」
と思っているということです。
子どもが異性のもつペニスや乳房に憧れる(または少なくともそれをもっているとどうなのかといった好奇心をもつ)という説は、つむじまがりの精神分析医が作り出したものではありません。
多くのまったく正常な子どもがこのような空想を抱いていますし、それは人間の想像力を利用した正常な探求心の一つなのです。
しかし普通は、このような空想を膨らませている間でも、自分の本当の性は何かとか、自分の性について不服だとかはまったく思っていません。個性や好みが何であれ、ほとんどの子どもが自分が男であり、自分が女であることはわかっているのです。
しかし、自分の性についてこのような確信がほとんどもてない子どもがいます。
私たちが「性同一性障害(GID)」という診断を下す子どもたちです。
自分は間違った肉体に生まれてしまったと感じている男子や女子がいます。
彼らは性的不快という自分の現在の性に対する激しい不快感を示します。
一般に性同一性障害の少年は、女の子を連想させるおもちゃ、ゲーム、態度、服装、文化活動が大好きで、ママゴトをしたり、料理を覚えたり、化粧をしたり、宝石を身につけたり、ドレスを着たりしています。
幼い頃、とりわけ2、3歳の頃から女っぽい態度を示すかもしれません。
彼らは女性器のように見せるため、股の間にペニスを挟み込んで男性器を「なくそう」としたり、またしゃがんでおしっこをしたりするかもしれません。
たぶん他の男の子より自分がはるかに同一視している女の子の友達を探そうとするでしょう。
同様に、性同一性障害の女の子は「おてんば娘」という言葉ではとても収まりきりません。
彼女たちはまったく人に隠し立てすることなくペニスに対する憧れを抱きます。
立ち小便をし、声を低くし、クルーカットにあこがれ、レスリングやフットボールのような荒っぽく「男っぽい」試合に参加し、スポーツの英雄を自分の模範としたりして、自分が女ではなく男であることを明らかにしようとします。
「性的自己同一性(訳注・自分が男性または女性であるという自覚)」はほとんどの人にとってあまりにも当たり前のことであり、
あまりに疑問の余地のないことなので、性同一性障害の子どもは特につらい目にあいます。
男子は男子、女子は女子との絆を形成する潜在期の間、GIDの子どもは普通(そして情け容赦なく)他の子どもたちから除け者にされ、ばかにされます。
しかし、最もひどい批判をするのは親たちなのです。
とりわけ女の子になりたいと思っている男の子は父親からしばしば脅しつけられています。
そして一般に、女であることに不快感を抱いている女の子は母親を遠ざけてしまうでしょう。
ある意味で、すべての親が我が子に自分の姿を照らして生きているというのは本当のことでしょう。
私たちはある程度、息子や娘の中に自分の姿が映し出されるのを見たいと思っています。
その点、何といっても自分を最も映し出すものは性に他なりません。
あまり意識していなくても、親はひそかに自分が本当に男らしい人間か、女らしい人間か、恐れや不安を抱いています。
そして自分の息子が女っぽかったり、娘が男っぽかったりするせいで、その恐怖や不安は一層激しく掻き立てられてしまうことになるのです。
その結果、GIDの子どもを激しく非難するのは学校の友達だけではすまなくなります。
最もひどい拒絶は、学校より家庭にいる家族から受けることになるのです。
性同一性障害の原因はまだ明らかになっていません。
最近では遺伝子や子宮内でのホルモンのアンバランスについての刺激的かつ、興味深い研究がいくつか出ています。
また、出生順位や身体の外見が何らかの原因となる役割を果たしているのかもしれません。
親が欲しがっていたのが男子か女子かということも影響を及ぼすかもしれません。
子どもはそのために、「自分は『本来あるべき』性に生まれていない」と感じるかもしれませんし、親が実際に自分に望んでいた性になろうと無意識に努力するかもしれません。
親子の対立、高圧的な母や父の影響、そして親が示すその他様々な病理も影響を及ぼす可能性があります。
しかし明確な原因として証明されているものは一つもありません。
忘れてはならないことは、男らしさや女らしさの「適切な」文化的・家族的スタイルを示そうとしない子どもが全員GIDとは限らないことです。
性同一性障害は治すことが難しい、ごくまれな症状なのです。
恐らく一生この症状は消えないでしょう。
時には性転換手術のことを調べて、実際に手術を受けることもあります。
自分たちを「トランスジェンダー(訳注・性差を越えた人間)」と見なし、
必ずしもこの状態が病気だとは思っていない男女のための支援グループが多くの大都市にあることも留意すべきです。
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コメント (1)
誤字の指摘です
、「自分は『本来あるべき』怪に生まれていない」と感
↓
、「自分は『本来あるべき』性に生まれていない」と感
投稿者:仁茂田健一郎 |2009年07月11日 13:12


